瀕死状態からの脱脚!vol.3

前回最後の最後で彼に彼女がいるということが判明し、ほぼ屍状態で家に帰った私ですが、そうなったところで私の人生は終わるわけではなく日曜日が残酷にもやってきてしまいました。

 

日曜日と言ってもやることなんてほとんどありません。田舎なので大きな商業施設はしまってしまっているし、家の近くのスーパーも全滅です。もうちょっと遅くまで寝ていればよかったものの、昨日のことが気になってしまって朝の8時に目覚めてしまった私はとにかくシャワーを浴び、家の近くのビーチに行くことに。しかし時はすでに9月。泳いで全てを忘れようにも寒くて別の理由で本当に死んでしまいそうなので、ただ散歩だけすることに。

ビーチを端から端まで歩き続けましたが、それでもやっぱり昨晩の友人の話が頭から離れませんでした。自分ではどうしようもないと分かっていても、どうしても受け入れられずにいたのです。しかしこのようなことは今までありませんでした。今までの自分は片思いをし、脈なしと分かったらすぐに諦めていたからです。いつもの自分ならそうするとことを今回だけは、何かどうにかして彼と近づきたい、手に入れたいという自分の中の醜い部分が湧き出ているのをハッキリと感じました。

 

とにかく別のことを考えよう。私は持っていたカバンからタブレットとポテトチップスを取り出して、ベンチに座りながら映画を観始めました。やっと私の意識が別の方向に向いてきた瞬間、私の携帯がメッセージの襲来を告げました。条件反射でロック画面をみると、彼からでした。あーーーーー何で今??? もうやってられません、、。心はすぐにメッセージを開きたい思いで一杯ですが、日本人の特性でしょうか、興味ありありなのが相手に分かってしまうのが怖くて、とりあえず放置!

するとまた別のメッセージが!これはただの挨拶ではないことが確かです。何か確かな要件があるはず。。

5分経って私はメッセージを開きました。そして要件は洗顔料売ってるところ知らない??というもの。。

え?女子力高くない??そっかこれがかの有名なこの国の美意識の高さか、、!

一部の方はご存知かもしれませんがこの国の男子の美意識の高さは本当に尊敬に値します。お風呂上がり5秒以内に化粧水投入しないと落ち着けないというレベルで。

 

さあこのミッションにどう対応するか私、、何を隠そう自分のスキンケアにそこまで気を使ってないので、リアルに彼を手伝うことができない、、本当に残念な自分、、、

私はただただ近所のドラッグストアのリンクだけを送るような、それ以上話が発展しないようなメッセージしか送れませんでした。案の定、私の吹き出しには既読の文字だけが残り、それきり話は途切れました。

もっと色々言えたのかもしれません。私も買いたいと思ってた!一緒に見に行こうよ!そっちの国にいた時はどんなの使ってたの?後から考えれば山ほど会話が思い浮かぶのに、彼の質問に対して完璧でありたいという私の勝手なプライドがそれを殺していたのかもしれません。

自分に素直であることがこんなにも難しいなんて想像もしませんでした。心に新たなモヤモヤが生まれて、苦しくて死にそうになった私は一人また家に向かって歩き始めました。

家に帰ると私のフラットメイトがキッチンで何やら料理をしていました。柔らかな匂いが私の鼻をくすぐります。彼女は私が帰ってきたのに気付き、一緒にご飯を食べようとできたてのポトフを器に盛り付け始めました。朝からポテチしか食べていなかった私はすぐにテーブルにつき、ホクホクのじゃがいもを口に放り込みました。何となく自分の今の気持ちを彼女に相談しようと思った私ですが、ダイレクトに話すのが恥ずかしくなった私は遠回しに彼女に付き合っている人がいるのかどうか聞きました。

彼女はすぐにうん、イタリア人の彼氏がいるよ。と答えました。しばらく彼との馴れ初めや思い出を話したのち、彼女は少し変わったエピソードを教えてくれました。何でも彼女の一番の友人が長年付き合った婚約者との婚約を解消し、旅先でであった別の男性と付き合い始め、そして最終的にその人の国に移住したというのです。

そして彼女は最後にこう言いました。

私の友人を見て、私はやろうと思えば何でもやれると思った。人生は一回きりだから自分の気持ちに正直になった者勝ちなのかもしれないわね。

 

この言葉を聞いて私の口の中から、さっきまで残っていたポトフの味が一瞬消えました。そして感じました。素直になることは悪いことではないと。それでダメになったらそれまでであると。

明日以降、彼に会うことがあったら、なるべく自分の気持ちに正直に、試しに距離を縮めてみよう。

決意したは良いものの、果たして本当にできるか知らないけどね!笑

続きます〜